雨音と共に

読んだ本の感想などを書き綴っていくブログです

君を愛したひとりの僕へ —ネタバレなし―

前記事の宣言通り、この小説をご紹介します。

 

 

 

 

初めに

前回の記事でもご紹介しましたが、この2冊の読む順番は

君を愛したひとりの僕へ  僕が愛したすべての君へ

をおすすめします。

 

何故か?という疑問にお答えすると、少々ネタバレになるので、次のネタバレありの記事でご紹介します。

ただ、少しだけ理由をお話しすると、君愛→僕愛の順番に読むほうが綺麗に伏線を回収でき、読了後の気分がすっきりするからです。

逆から読むと伏線を張る前に行動し、その行動に関して後から説明が加えられる(これが伏線)ような状況になり、不完全燃焼となってしまうケースがあります。

 

この2冊の物語はとても緻密に作られているため、その物語を100%楽しむためにはおすすめする順番で読むことが大切であると考えます。

これが逆から読んだ私からのアドバイスです。

 

 

あらすじ

並行世界が立証された世界で、主人公日高暦は両親が離婚した際に父親へついて行くことを選択します。

父親の通勤する研究所に通う中で、ある日、佐藤栞という女性に出会うところからこの物語は大きく動き始めます。

2人は惹かれ合い、恋愛感情を持ち始めた頃にお互いの親同士が再婚するという話を聞きます。このままでは結婚できなくなるという危機感を抱き、2人で親同士が結婚しない並行世界へ逃げようと考えます。

しかし、その並行世界への移動の際に暦は栞を失ってしまいます。

 

何としてでも栞を助けたい。その目的のために暦が奔走する物語です。

 

 

感想

僕愛に比べて少々雰囲気が暗めでしたが、暦が栞を助けるために奔走する姿を見て、人は誰かのためにここまで必死になることができるのだな、とその姿に感動しました。

そういえばこの気持ちをどこかで感じたことがあった気がしました。

本作と同じ並行世界というテーマが作中に出てくるSteins;Gateです。

主人公がヒロインを助けるために様々な手を尽くし、共に助け合い、共に涙する。この作品でそんな姿に感動した覚えがありました。

改めてこの2作を比べてみると、似ている点がいくつかあります。もしかしたら著者の方も多少は影響を受けたのかもしれません。

 

基本的には暦と栞の2人の話なのですが、僕愛で登場した瀧川和音も登場人物に含まれております。暦と和音の関係性について『僕愛』と比較しながら読むのもまた面白いかと思います。

 

初めに『僕愛』を読んだので、その2つを比較した感想をご紹介すると、まさに本のタイトル通りだな、と感じました。

『僕愛』の主人公は様々な並行世界にいる彼女の話、すなわちすべての並行世界について触れていますが、『君愛』の主人公はたったひとりの彼女の話しかしません。

この一見、両極端な物語が上手く噛み合っているところに魅力を感じました。

 

 

さて、次記事では『僕愛』と『君愛』の2つをネタバレありでまとめてみようと考えております。上手くいけばとてもわかりやすくまとめられそうです。年表みたいなものができれば最高ですね。

 

ネタバレありの感想はこちらです。

siuka-hatatoko.hatenablog.com